補助金と設備投資
「この設備、補助金でいけますか?」──その相談が来る頃には、だいたい遅い。
「この設備、補助金でいけますか?」。商工会で約20年、設備投資の相談はほとんどこの一言から始まりました。そして、この相談が来る頃には、たいてい遅いのです。
補助金の相談は「買う設備が決まった後」に来る
厨房機器、製造機械、美容機器、レジやシステム、店舗の改装。経営者の多くは、販売業者の説明を受けて導入する設備を決めてから、補助金を探し始めます。
ところが補助金は、何を買うかだけでなく、いつ契約・発注・支払いをするかで対象外になることがあります。交付決定の前に発注した経費は、原則として対象になりません。
締切1週間前の相談では、選択肢が残らない
申請締切の10日前や1週間前の相談は珍しくありません。そこから見積書、仕様書、導入理由、売上の見込み、資金計画、申請書を一気にそろえることになります。小規模事業者持続化補助金なら、商工会・商工会議所で事業支援計画書(様式4)の発行を受ける手続きもあり、締切直前では間に合わないこともあります。
「使えない」で終わらせない
補助金が使えないことと、設備を入れるべきでないことは別の問題です。たとえば300万円の設備に150万円の補助が出る場合でも、ほかの選び方があります。
- 状態のいい中古設備を探す
- リースで手元資金を残す
- 補助金を半年待つより、融資で今導入して利益を早く出す
- 下位機種で十分か、上位機種を選ぶべきかを見直す
- 設備を入れずに外注する
経営者が本当に知りたいのは、「補助金が使えるか」ではなく、「いつ、どうやって導入するのが一番いいか」です。
相談するのは「見積書をもらった日」
相談のタイミングを、申請締切の直前から、販売業者から見積書をもらった日に移してください。時間があれば、制度の比較、購入時期の調整、資金の手当て、中古や仕様の見直し、投資を何年で回収できるかの計算ができます。「買わない」という選択肢も残ります。選択肢は、契約する前ほど多くあります。
第20回 持続化補助金の締切は2026年12月15日
小規模事業者持続化補助金の第20回は、申請締切が2026年12月15日(火)17時、事業支援計画書(様式4)の発行受付締切が12月4日(金)です。チラシやホームページ、店舗の改装などで使えないか考えている方は、11月中に相談を始めるのが安全です。
よくある質問
交付決定の前に設備を発注してもいいですか
原則として、交付決定の前に契約・発注した経費は補助の対象になりません。発注は交付決定を受けてからにしてください。
補助金が使えない場合はどうすればいいですか
中古設備、リース、融資、機種の見直し、導入時期の変更などを比べて、いつ、どうやって導入するのが一番いいかを考えます。
この記事は、noteに掲載した記事(2026-09-04)を、サイト掲載にあたって加筆・修正したものです。料金や仕組みは、2026年10月時点の内容に合わせています。