開業費用
飲食店の開業費用、ゼロからと居抜き承継で何が違うか
20〜30坪のカフェや小さな飲食店を、スケルトンからつくる場合と、閉める予定の店を内装・設備ごと引き継ぐ場合で、開業費用はどれだけ違うのか。相談の現場で使っている目安で比べると、差は約330万〜405万円になります。
比べる2つの開業方法
- ゼロから開業:スケルトン(内装なし)の物件を借り、内装と設備を一からつくる
- 居抜き承継:閉める予定の店を、厨房設備・内装・什器がほぼ残った状態で引き継ぐ
ゼロから開業する場合(20〜30坪の目安)
| 項目 | 目安(万円) |
|---|---|
| 内装工事(スケルトンから) | 300〜600 |
| 業務用冷蔵庫(縦型) | 20〜30 |
| 製氷機(小型) | 15〜20 |
| 業務用コンロ・グリドル | 15〜25 |
| シンク・作業台・食洗機 | 10〜20 |
| 保証金(家賃6か月分) | 60〜120 |
| 食器・備品・レジ | 30〜60 |
| 運転資金(最低3か月分) | 90〜150 |
| 合計 | 540〜1025 |
設計料、許認可の費用、研修費などが別にかかることがあります。少なく見積もっても500万円を超えます。
居抜きで承継する場合(20〜30坪の目安)
| 項目 | 目安(万円) |
|---|---|
| 造作譲渡額(設備・什器込み) | 50〜300 |
| 最低限の修繕・改装 | 10〜50 |
| 保証金(家賃6か月分) | 60〜120 |
| 運転資金(最低3か月分) | 90〜150 |
| 合計 | 210〜620 |
内装と設備の大部分が残るため、その分の費用がかかりません。造作譲渡額は、設備の状態や年数、立地によって大きく変わります。
差額は「節約」ではなく「余裕」
合計の幅どうしを比べると、下限で330万円、上限で405万円の差です。この差は、浮いたお金というより、開業1年目の想定外に耐えるための余裕だと考えてください。お客さんが思ったより来ない、設備が壊れる、スタッフが辞める。最初の1年には、計画どおりにいかないことが必ず起きます。
ゼロから開業して費用をすべて借入れでまかなうと、開業の翌月から返済が始まり、余裕がほとんど残りません。初期費用が小さいほど、うまくいかなかったときに戻れる幅が大きくなります。
安いから、だけで選ばない
居抜き承継は、安いことだけを理由に選ぶものではありません。引き継ぐ前に、次の点を確かめてください。
- 前の店が閉める理由(立地なのか、店主の事情なのか)
- 設備の状態と年数(すぐ更新が必要なものはないか)
- 場所と業態が、自分の計画に合っているか
- 大家さんが新しい借り手を認めるか、家賃などの条件はどうなるか
- 常連さんがどのくらい残りそうか
いい居抜きは、表に出る前に決まる
条件のいい店ほど、店主が信頼できる相手に静かに声をかけて決まり、一般には出てきません。出てくるころには、設備が売られていたり、常連さんが離れていたりします。
BRIDGE CYCLEでは、店主が店名を伏せて登録したお店の一覧を、誰でも無料で見られます。業種・エリア・時期を登録しておくと、合う店が出たときにお知らせします。
よくある質問
居抜き承継の造作譲渡額の相場はいくらですか
設備の状態・年数・立地で大きく変わります。この記事の目安では、20〜30坪の飲食店で50万〜300万円としています。当社が扱う譲渡額は300万円までです。
居抜きで開業すると、融資は受けやすくなりますか
初期費用が小さくなる分、借入額を抑えやすくなります。造作譲渡額や改装費を含めた資金計画をつくり、日本政策金融公庫などに申し込むのが一般的です。
この記事は、noteに掲載した記事(2026-07-12)を、サイト掲載にあたって加筆・修正したものです。料金や仕組みは、2026年10月時点の内容に合わせています。